県北に初夏を告げるお祭り、壬生の花田植を見に行こう

  • 昔ながらの農耕儀礼を受け継ぐ、年に1回のお祭り
    昔ながらの農耕儀礼を受け継ぐ、年に1回のお祭り
広島の県北エリアに初夏の訪れを告げる稲作儀礼・花田植。なかでも北広島町で行われる「壬生(みぶ)の花田植」は2011年にユネスコの無形文化遺産に登録され、1万人もの観衆を集める一大イベントとなっています。日本の農村の原風景を今に伝える、貴重なお祭りです。
  • 花田植を彩る要素の一つが、黒毛の牛を花鞍や装束で飾った「飾り牛」

    花田植を彩る要素の一つが、黒毛の牛を花鞍や装束で飾った「飾り牛」

壮観で華やかな伝統行事
中国地方一帯には、太鼓をたたき笛を鳴らして田植唄を歌いながら、大勢で田植えをする「はやし田」「田ばやし」と呼ばれる民俗行事が残されています。稲作の平穏と豊穣を祈って田の神を祀ると同時に、田植え作業を楽しくしようとする娯楽としての要素も持つ行事でした。地域によって、牛を豪華な花鞍や装束で飾ったり、着飾った早乙女(さおとめ)たちが苗を植えたりと華やかなことから、「花田植」と呼ぶようになったと言われています。
  • 毎年6月第一日曜日に行われる、壬生の花田植

    毎年6月第一日曜日に行われる、壬生の花田植

北広島町の壬生地区で行われる花田植は、毎年6月第一日曜日に開催されます。1976年に国指定重要無形民俗文化財に、2011年にはユネスコの無形文化遺産にも登録され、年々観光客を増やしています。広島県の北部には今でも花田植を行っている地域がありますが、最も規模が大きいのがこの壬生の花田植です。
華やかな田園絵巻を楽しもう
太鼓や笛の音に合わせて総勢100名以上の人々で繰り広げられる、迫力満点の田園絵巻。その主役となるのは、サンバイ、囃し方、早乙女、そして飾り牛です。
田植えの総指揮、サンバイ
田植えの総指揮をとる人をサンバイと呼び、田の神様とも言われる役柄です。絣の着物に股引姿で菅笠(すげがさ)をかぶり、ササラと呼ばれる打楽器を打ち鳴らし、花田植を統括します。
 
全身で太鼓を打ち鳴らす、囃し方
大太鼓・小太鼓・手打鉦と横笛で構成され、サンバイの指揮に合わせて賑やかに打ち鳴らします。大太鼓を腰でかかえ拍子に合わせて身体を大きくくねらせながら一斉に打ち鳴らす音には迫力があり、バチを投げ上げて隣の人に受け渡す技は見事です。
 
あでやかな出で立ちで田植えを彩る、早乙女
苗代で育った苗を小分けして(苗取り)、田に植える女性のことを早乙女と呼びます。絣の着物にたすき掛け、豆絞りの手ぬぐいに菅笠をかぶるあでやかな出で立ちで並び、サンバイの音頭に合わせて田植唄を歌いながら早苗(さなえ)を植え、華やかな田園絵巻を演出します。
 
花田植を支える重要な存在、飾り牛
飾り牛とは、豪華な装束で着飾り、造花を立てた絢爛豪華な花鞍をのせた黒毛の牛のこと。十数頭の飾り牛が商店街を行列して歩いたのち、花田植の会場へと向かいます。
 
  • 間近で見ることのできる道行き

    間近で見ることのできる道行き

  • 牛は、壬生神社で飾り付けられます

    牛は、壬生神社で飾り付けられます

会場までの練り歩きもお見逃しなく!
花田植をより楽しむなら、壬生神社で行われる牛の飾付けや、商店街を行列が練り歩く「道行き」から始めるのが良いでしょう。準備を済ませた各田楽団や花笠踊りは所々で踊りを披露し、趣のある壬生商店街を練り歩きながら花田植会場となる田へと向かいます。特に十数頭もの飾り牛が巨体を揺らして進む様子は、非常に迫力のある光景です。こうした道行きは、ごく間近で見物できることが最大の魅力です。古くからのお店や飲食ブースも楽しみのひとつ。もちろん、田で繰り広げられる花田植は、賑わいと華やかさがあって見どころ満載です。重労働を共同作業でのりきる昔ながらの稲作儀礼に触れて、自然の恵みや食物への感謝を考える時間にしてみませんか。
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