マチナカに溶け込んでいる とっておきの広島箔文化

「歴清社の黄金の箔アート」
  • JR広島駅 新幹線柵内にある待合室

    JR広島駅 新幹線柵内にある待合室

  • ホテルグランヴィア 宮島厳島神社や弥山が描かれている

    ホテルグランヴィア 宮島厳島神社や弥山が描かれている

  • 広島産牡蠣とレモンサワーが楽しめる立ち飲み屋mon-to9。右奥の内装に箔紙が使われている

    広島産牡蠣とレモンサワーが楽しめる立ち飲み屋mon-to9。右奥の内装に箔紙が使われている

  • 立ち飲み屋の内装を拡大。本銀箔を硫黄でいぶし、赤色に変化させた箔

    立ち飲み屋の内装を拡大。本銀箔を硫黄でいぶし、赤色に変化させた箔

  • 広島市袋町にあるバー TopNote 別館

    広島市袋町にあるバー TopNote 別館

秋冬は、まったりと広島の夜を楽しみませんか。

夕方JR広島駅に着いたら、駅南のホテルへチェックイン。荷物を置いたら、町に出ましょう。地元の牡蠣とレモンサワーでカンパイ。ほろよい気分になったら、バーへ。よい加減にお酒が回ってきたところで、今夜の帳は閉めようか。といったプランはいかがでしょうか。

今夜の共通カラーは黄金色。上写真の壁画アート、バーの壁紙などには日本の伝統文化である箔押しの技術が用いられています。驚くことにこれらのアートは金色でありながら金を使っているわけではなく、広島発かつ世界唯一の技術を用いてつくられたものです。

今回は、まったりな広島を楽しんでもらう前段階として、広島の日常を彩る、作り手側をご紹介しようと思います。箔文化を今に伝える1905年創業「歴清社」(広島市)です。
  • 笑顔が優しい藤井さん

    笑顔が優しい藤井さん

広島市中心の紙屋町からバスで20分。
本社にて、ショールーム兼工場見学を随時受け付けています。
ここからは、ご案内頂いた営業部藤井さんのお話「☆☆」を交えながらお伝えします。
  • 青貝箔。銀箔を硫黄でいぶす、という日本にのみある技術でつくったもの。限られた職人しかできない技であり、赤、青、黒に変色させたものがある。一枚一枚に表情が異なる。

    青貝箔。銀箔を硫黄でいぶす、という日本にのみある技術でつくったもの。限られた職人しかできない技であり、赤、青、黒に変色させたものがある。一枚一枚に表情が異なる。

  • 赤貝箔。銀箔を硫黄でいぶす、という日本にのみある技術でつくったもの。限られた職人しかできない技であり、赤、青、黒に変色させたものがある。一枚一枚に表情が異なる。

    赤貝箔。銀箔を硫黄でいぶす、という日本にのみある技術でつくったもの。限られた職人しかできない技であり、赤、青、黒に変色させたものがある。一枚一枚に表情が異なる。

歴清社の強みは、世界で唯一、本金箔と比較しても劣らない、変色しにくく、実用にも耐え得る真鍮箔の箔押し紙を内装材などの工業製品としてデザイン・製作できることです。
国内で唯一7.4メートルの長さまでを製作できることから、広島はもとより、世界の高級ホテルやアカデミー賞の会場、ラスベガスのカジノなど様々な場所で歴清社の箔紙が利用されています。
 
☆☆藤井さん「本金箔よりも安価であることから試作しやすく、沢山の新しいデザインを生み出すことができ、世界中から注文を受けています」

  • 金箔を一枚一枚貼り付けている

    金箔を一枚一枚貼り付けている

  • 銀箔をまだらに貼り付けてランダムな模様に仕上げている

    銀箔をまだらに貼り付けてランダムな模様に仕上げている

  • 箔押した紙を一枚一枚検品している

    箔押した紙を一枚一枚検品している

  • 箔押し紙に薄絹を貼り合わせた製品。自然光が差し込むと波を打ったような影がみえる

    箔押し紙に薄絹を貼り合わせた製品。自然光が差し込むと波を打ったような影がみえる

歴清社は本金箔はもちろんのこと、本銀箔、洋金(真鍮)箔、アルミ箔など様々な箔を使った箔押し紙の製造ができます。
従業員の平均年齢は30代後半で、20代から60代まで幅広く集まっています。伝統文化としての箔押し技術を継承しつつ、従業員の柔軟な発想・アイディアを取り入れながら、実用的で多様な使い方を提案しています。

☆☆藤井さん「箔を貼るには集中力や忍耐力が必要です。3.6版(92㎝×185㎝)の大きさなら13~15分で箔押しすることができます」
  • 歴清社工場。真ん中に見えるのが煙突。

    歴清社工場。真ん中に見えるのが煙突。

  • 目覚まし時計が描かれた小学校の名残の扉。8時を指している。

    目覚まし時計が描かれた小学校の名残の扉。8時を指している。

  • 木造りの階段に小学校当時の面影が。窓・壁面には試作のデザインが飾られている。

    木造りの階段に小学校当時の面影が。窓・壁面には試作のデザインが飾られている。

  • 巨大な箔紙を2週間かけて乾燥させている。天井の高いこの部屋は小学校の講堂を移築したもの。

    巨大な箔紙を2週間かけて乾燥させている。天井の高いこの部屋は小学校の講堂を移築したもの。

1905年に創業した歴清社は平和記念公園から約2.2キロメート離れた場所に位置します。
1945年8月6日の原爆投下の日、本社に残ったのは大きな煙突と倉庫のみ。町の人は歴清社に残った煙突を頼りに自分の家を探したそうです。
工場再建の折は同じく被災した原小学校の廃材を使いました。今でも小学校の面影が残った工場で新しいデザインの箔押し紙が生まれています。
 
☆☆藤井さん「元は約400年前に和歌山から広島城に入城した浅野氏お抱えの刀剣商。明治の廃刀令により事業転換し、金屏風の取り扱いを始めました。その後舶来品の真鍮箔を知り、世界初となる本金箔に見劣りしない真鍮箔の箔押し紙を10年かけて開発し、1905年に完成させました」
  •  動きやすく、ブランド化されたユニフォーム

    動きやすく、ブランド化されたユニフォーム

  • チームワークよく作業が進む(トップコーティングの工程)

    チームワークよく作業が進む(トップコーティングの工程)

2016年に6代目久永社長が就任。
「金銀箔を現代空間にいかす」ことを目指し、製品だけではなく、会社のロゴマークや商品を生み出す側の「人」にも焦点をあて、ブランディングを行うことにしました。
従業員のユニフォームは、藍色を基調とした生地で揃えることとし、会社オリジナルのジャケット、シャツ、エプロン、手ぬぐいなどを作成しました。職人も、広報担当者も、誰もが、歴清社そのものをPRする存在となっています。

工場を見学すると、当時を思わせる小学校のぬくもり、金や銀など色とりどりの箔、これらのカラーにマッチした職人さんの佇まいに何とも言えぬ安らぎを感じると同時に、美術館を訪れたかのような豊かな心持ちになります。ここから生まれる商品がどこに使われるのか、想像するだけでも面白いです。

☆☆藤井さん「ブランディングだけでなく、働きやすい環境であることも魅力です。私を含め子育て世代の女性も安心して生き生きと働いています」
創業以来、内装用の箔紙を問屋に卸していましたが、歴清社のことを様々な人に知ってもらおうと、2年前より箔雑貨の製作・販売を開始しました。

まずは、身近な食で笑顔になってもらいたい、と「金のふりかけ」をつくりました。金には、人を幸せにする力があります。特別な時や来客時のもてなしに使ったら、きっとその場は楽しくなるだろう、という発想です。

また、金のポチ袋、箔のハガキ、箔のスケッチブックなど、自分で使ってもよいし、プレゼントにも喜ばれる商品も作りました。

広島県内では、歴清社本社のほか、おりづるタワー(当面は土日のみ営業)やそごう百貨店、東急ハンズで購入できます。
黄金の広島を楽しんだら、これらを手土産にお家に帰りませんか。

☆☆藤井さん「箔文化を継承し、皆さんが笑顔になる商品を開発していきます」

本社工場見学の予約は随時受け付けています。
現場ですので、人数や受入れできる日にちに制限があります。
事前に電話またはEメールでお問い合わせください。

本社・工場 
TEL      082-237-3530 
MAIL      office@rekiseisha.com
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        kinno_rekiseisha